1枠 1番エフフォーリア

Efforiaは強い幸福感(ギリシャ語)。母名より連想。母 Katies Heart はケイティーズ一族の心。父名・母名より連想。3 代母 Katies は 1984 年愛 1000 ギニー勝馬で近親にヒシアマゾン、アドマイヤムーンがいる。父 Epiphaneia はギリシャ語でキリスト教の「公現祭」。皐月賞では横山武史騎手の心の底からの幸福溢れるインタビューが話題となった。競馬の祭典・日本ダービーでも時代の旗手となる若人の出現を皆が祝福するレースとなるだろう。

1 枠 2 番ヴィクティファルス

Victipharus はガリレオ衛星に付けられた名前。母父名より連想。母父は Galileo で母ヴィルジニアはガリレオ・ガリレイの長女名より。木星のガリレオ衛星は現在ではイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストと呼ばれているが、本馬の馬主 GIレーシングの HP には、数ある木星の衛星のなかでも群を抜いて大きいものだとされているとの記述から、最も半径の大きいガニメデだと思われる。幸運の1枠から飛び出した惑星が上げる勝ち星はおのずから大金星となるだろう。

2 枠 3 番タイムトゥヘヴン

Time to Heaven は天国への時間。母名より連想。母 Kiss to Heaven は天国への口づけで、天国にいるその父アドマイヤベガ、母父ノーザンテーストにキスが届くように、という意味あいの 2006 年桜花賞馬。この時の 2 着馬は 1 番人気アドマイヤキッスで「アドマイヤキッスではありません、こちらのキッスでした!」と実況が叫んだ。Heaven には天国の他に(天にも昇るくらい)幸せな気持ちという意味もある。1 番人気のあの馬にも負けない幸福の使者がいる今年のダービーの結末は神のみぞ知る Heaven knows。

2 枠 4 番レッドジェネシス

Red Genesis は冠名+創世記、起源。日本ダービー優勝回数上位の種牡馬は、6 勝でトウルヌソル、サンデーサイレンス、そしておととし亡くなった父ディープインパクトが並んでおり、今年勝つと単独 1 位となる。競争馬として、種牡馬として一時代を築き上げた父ディープインパクトに手向けの勝利を上げ、新たな時代の始まりを高らかに宣言する。

3 枠 5 番ディープモンスター

Deep Monster は父名の一部+怪物。Monster の語源はラテン語の monstrum と言われ、これは奇形の意でこれが転じて神の予言の意味も持っている。武豊×池江泰寿のタッグ、父と同じ 3 枠 5 番は吉報の予兆か。亡き父ディープインパクトに捧げるダービー勝利を上げ、父をも超える怪物の伝説がここから始まる。

3枠6番バジオウ

Baji O は馬事王。今年は遅れてきたオリンピックイヤーで馬術の盛り上がりも期待される。バジオウは中国の春秋戦国時代を描いた漫画・アニメ「キングダム」に出てくる山の民を率いる仮面を被った猛者の名でもある。本馬の3代母の子ダンスインザダークは 1996 年の、父ルーラーシップは 2010 年のプリンシパル S を制しダービー出走も敗れている。歴戦の猛者たちを蹴散らし、一族の悲願を果たし一足早く栄光の金メダルを獲得するのはこの馬事王だ。

4枠7番グラティアス

Gratias は感謝(ラテン語)。Gratia の原義は恵み、好意で他にも魅力、気品、人気、寵愛、など様々な意味を持つ。キリスト教における神の慈愛である恩寵の意味もある。母マラコスタムブラダはアルゼンチンの GI馬、半姉レシステンシアは阪神 JF 勝ち馬。デビュー2連勝での重賞制覇は恵まれた資質の証明。競馬は人気がない分魅力があるものでこの馬が恵まれた才能をこの大舞台で発揮すれば感謝の止まらぬ配当にありつけよう。

4 枠 8 番ヨーホーレイク

Yoho Lake はカナディアンロッキーの湖。カナディアンロッキーとはロッキー山脈のうちのカナダにかかる部分で、ヨーホーは先住民のクリー族の言葉で「驚異・畏敬」の意。エメラルド色の幻想的な湖。母クロウキャニオンの子は本馬を合わせて 12 頭が走り 12 頭勝ち上がるという驚異の成績を残している。緑一色の闘技場で並みいる強豪をノックアウト、勝利後には本馬の魅惑的な走りを讃える麗句が溢れるだろう。

5枠9番ラーゴム

Lagom は適度で節度あること(スウェーデン語)。多すぎず少なすぎずちょうどよいこと。語源はヴァイキングたちの言葉「Lager om」=仲間と分け合うから来ているとされ、蜂蜜酒を回し飲みする際に、全員が同じ量を飲むのではなく自分にちょうどよい量を飲めばよい、ということらしい。前過ぎず後ろすぎない位置につけ、速すぎず遅すぎないペースの中で馬群に飲まれず世代の頂点に立った後の祝杯はほどほどに。

5 枠 10 番シャフリヤール

Shahryar は偉大な王(ペルシャ語)。おそらく『千夜一夜物語』=アラビアンナイトに登場する王のことだろう。シャフリヤール王は妻の不貞がきっかけで女性不信となり、女性を連れてこさせ一夜を過ごしては翌朝首をはねるということを繰り返していた。これを止めるためにシェハラザードという女性が毎晩興味深い話をシャフリヤールにしたというのが『千夜一夜物語』の概要である。本馬は3走目となる前走、跳ねるようなフットワークで日本レコードを記録した。衝撃的な第3話を経て、世代を統べる偉大な王の英雄譚となる第4話は後世に語り継がれること間違いなしだ。

6 枠 11 番ステラヴェローチェ

Stella Veloce は星+速い(イタリア語)。イタリア語の中では馴染みのある方で、ステラはステラおばさんのクッキー、ヴェローチェはカフェ・ヴェローチェがあり空腹になる名前にも思える。吉田隼人×須貝厩舎は先週のオークスにて 1 番人気のソダシで破れており、本馬も昨年 10 月以来勝ち星がなく勝利に飢えている。赤地に白い星を散りばめた勝負服を纏ったこのスピードスターがそんな願いをかなえる流れ星となるだろう。

6 枠 12 番ワンダフルタウン

Wonderful Town は曲名。West Side Story も手掛けた巨匠 Bernstein による 1953 年に初演されたブロードウェイ・ミュージカルのことか。オハイオからニューヨークに出てきた作家志望のルースと女優志望のアイリーンがドタバタに巻き込まれながら夢を叶えていくストーリーのようだ。本馬は前走同距離の青葉賞を制し試奏=試走は完璧。かつてテイエムオペラオーとともに「世紀末覇王」を演じた和田竜二がこんどは一生に一度の夢舞台ワンダフルタウンとともに演奏=炎走を華麗に披露だ。

7 枠 13 番グレートマジシャン

Great Magician は偉大な奇術師。Magic の語源は占星術≒天文学に長けたゾロアスター教の祭司を指す Magi と言われ、キリスト教ではキリストの降誕の際に贈り物をささげた東方の三賢者を示す。本馬は、フルゲート割れの未来が見えていたかのように賞金不足の懸念がありながら毎日杯 2 着からの直行を選択した。偉大な7冠馬の父と独オークス馬の母から生誕の際に受け継いだ才覚で漆黒の奇術師がターフに魔法をかける。

7 枠 14 番タイトルホルダー

Titleholder は選手権保持者。父、母父、二代母父がダービー馬なので。母メーヴェMowenは風の谷のナウシカに登場する架空の飛行用装置。ドイツ語でカモメの意。父 Duramente はイタリア語で荒々しく、はっきりとという音楽用語。母父 Motivator はきっかけ、母母父 Shirley Heights はおそらく人名+高台、絶頂期だが詳細は不明。名は体を表す、血統表に散りばめられた栄光の血を原動力に荒々しく発進、宿命づけられたダービーのタイトル獲得という高みへと飛び立つ。

8 枠 15 番アドマイヤハダル

Admire Hadar は冠名+ケンタウルス座のベータ星より。Hadar はアラビア語で地面を意味するとされている。ケンタウルスは上半身が人間、下半身が馬の種族で戦いを好むという。本馬の血統表には母から 5 代母までトウショウの文字が並ぶ。日本の地に根をつけた闘将の血を引くこの馬が勇猛果敢なレースを見せ、東に昇る輝く一等星となる。

8 枠 16 番サトノレイナス

Satono Reinas は冠名+女王達(スペイン語)。スペインの Reina としては、1492 年にレコンキスタ(国土回復運動)を達成したなどの功績があるイサベル1世が著名。国枝調教師の牡馬クラシック、オーナー悲願のダービー制覇がかかる。本馬も 2 戦連続 2 着に敗れており、2007 年のウオッカ以来 14 年ぶり牝馬のダービー制覇で威信を回復したい。牝馬の時代の新たな 1 ページにこの女君の名を刻む。

8 枠 17 番バスラットレオン

Bathrat Leon は母名の一部+英語の獅子。獅子のように強く、走ってほしい。母 Bathrat Amal はゴドルフィンの所有馬で Bathrat の意味は不明、Amal はレバノンのシーア派政党の名で元はアラビア語の「希望」。昨年種子島から打ち上げられた UAE の火星探知機にもアルアマルという名が付けられている。前走の落馬、競争中止は試練を与える獅子の子落としか。今度こそこのダービーの大舞台でロケットスタートを決め、観客は心に希望の灯をともしたターフを駆ける獅子を見る。

以上です!日曜の日本ダービーをお見逃しなく!

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