オークス 紹介記事
この記事では明日5/24(日)に行われる、GⅠ・オークスを初心者向けに説明をする記事です。①オークスってどんなレース?②どんな馬が出走するの?の2章に分けて解説していきます。
それではさっそく①オークスってどんなレース?から参りましょう。
①オークスってどんなレース?
オークスは、3歳馬限定・牝馬限定の東京競馬場芝2400mで行われるGⅠレースです。
オークスはoakの複数形、樫のことです。1779年のイギリスで、第12代ダービー卿エドワード・スミス・スタンレーが自身の結婚祝いのためのレースを発案し、夫人の希望を取り入れ3歳牝馬のためのレースもその中で行うことになりました。その名前を、自身の所有していた樫の森茂る別荘の名前にちなんでオークスと名付けたといいます(このことにちなんでオークス馬のことを「樫の女王」と呼ぶこともあります)。
ちなみにこの1年後、1780年に創始されたのがダービーです。ダービーの名前の由来はこのダービー卿にちなんでいます。オークスの牡馬版としてダービーが始められたということで、まさに近代競馬の初期からあったレースとも言えるでしょう。
このようにイギリスで始められた伝統あるクラシック競争のひとつがオークスです。日本では優駿牝馬という名前も付けられています。牡馬の3冠レースは皐月賞、日本ダービー、菊花賞ですが、牝馬の3冠レースは桜花賞、オークス、秋華賞です。オークスは牝馬3冠の第2戦目となります。
その特徴は、東京競馬場をぐるっと1周する2400mという距離にあるでしょう。2400mという距離は、日本であれば日本ダービーやジャパンカップ、海外だとイギリスのダービーや「キングジョージ」(KGⅥ&QES)、フランスの凱旋門賞など、競馬の中心的地位を占める距離ですが、この時期の牝馬にとっては長距離とも言えます。
牝馬3冠の第1戦・桜花賞が1600mですから、そこから800mの距離延長となります。そのため、桜花賞を圧勝した馬でも、オークスになるとスタミナ自慢の馬に逆転されてしまうこともあります。
牝馬クラシック第2戦、3歳牝馬には過酷な2400mを駆け抜けて「樫の女王」を決める1戦、それがオークスだと言えるでしょう。
②どんな馬が出走するの?
では、今回のオークスにはどのような馬が出走するのでしょうか。この章では、オークスに出走を予定している有力馬3頭を紹介します。
2枠4番 デアリングタクト
☆戦績:3戦3勝。主な勝鞍はGⅠ・桜花賞。
牝馬クラシック第1戦を無敗で制覇。桜花賞では2、3着馬が逃げて残る不良馬場の中、1頭だけ次元の違う末脚で豪快に差し切った。底知れぬ能力を府中でも発揮し、無敗で2冠牝馬に輝くか。
☆ここに注目!
○レーススタイルは「差し」。前走の桜花賞も豪脚で差し切った。今回は馬場状態もあり、多少先行的なレースを心掛けるかもしれない。
○ここまで3戦3勝と無敗。しかも3戦とも上がり最速(出走メンバーで最後の600mの走破タイムが最も速いこと)を記録しており、末脚の破壊力は抜群。1957年ミスオンワード以来63年ぶり、無敗の牝馬二冠馬の偉業へ視界は良好だ。
○騎手は若手の松山弘平。今年はデアリングタクトと制したGⅠ・桜花賞を含め重賞6勝の大活躍。先週のGⅠ・ヴィクトリアマイルでは1着のアーモンドアイは格が違ったがサウンドキアラとのコンビで2着は確保、存在感を示した。自身の更なる飛躍はこの馬とのコンビにかかっていると言っても過言ではないだろう。
○不安点は、どの馬にも言えることだが、2400mへの距離延長や、前走が重馬場のGⅠだったためその疲れの残り具合や、良馬場になった時にGⅠのメンバーとの力関係など、走ってみないとわからないところがある。
また、今の東京競馬場は前目に付けた馬が止まらない傾向があるので、後ろから行き過ぎると末脚発揮も届かず、ということは想定できる。
1枠1番 デゼル
☆戦績:2戦2勝。主な勝鞍はスイートピーステークス。
デビューは今年3月とかなり遅かったが、2連勝でこのレースに駒を進めてきた。例年このオークスは、GⅠ・桜花賞上位組がそのまま人気するもので、今回も1番人気はGⅠ・桜花賞を制したデアリングタクトだと思うが、この馬が他のGⅠ・桜花賞から参戦の王道路線組を抑えて2番人気にまで推されそうだ。それだけ過去2戦の勝ち方が派手だったということだろう。
有力馬兼ダークホースという印象で、この馬の取捨選択がカギとなるだろう。
☆ここに注目!
○レーススタイルは「追い込み」?デビュー戦は16頭中13番手から、前走スイートピーSは18頭中13番手から直線だけで差し切り勝ち。2戦ともゲートでやや出遅れている。この時期の東京競馬場は前有利な傾向だけに、ゲートの出方次第では前目につけることもありうる。
○父はディープインパクト、母はフランスのオークス馬アブニールセルタンという超良血馬。前走の東京競馬場芝1800mスイートピーSの上がり3ハロン(残り600mの走破タイム)32秒5というのは恐ろしく速いタイム。オークスと同じ東京競馬場で高いパフォーマンスを見せているのは強調材料だ。怪物的な走りを見せて、史上最速となるデビュー3戦目でのオークス制覇となるか。
○騎手はオーストラリアの天才騎手D・レーン。先週も東京競馬場のGⅡ・京王杯SCをダノンスマッシュと制した。デゼルとは前走で初コンビを組み勝利に導いた。
○不安点は中2週と詰まったレース間隔であることや、GⅠとなると相手がぐっと強くなること、出遅れの危険性があることなど多い。逆に言えば不安点が多いながらも2番人気に推されるほどのポテンシャル溢れる走りをしているとも言える。
1枠2番 クラヴァシュドール
☆戦績:5戦1勝。主な勝鞍は新馬戦。
勝ち星こそ新馬戦以来遠ざかっているが、GⅢ2着、GⅠ3着、GⅡ2着、そして前走GⅠ・桜花賞では4着と常に世代上位の戦績を残してきた。距離延長も味方につけ、世代上位から世代の頂点を目指す。
☆ここに注目!
○レーススタイルは「先行」or「差し」。割と器用なタイプでどこからでも競馬できるので、1枠2番という内枠も活かしある程度前に付ける競馬をしそうだ。
○世代上位の能力を示してきた一頭。速いタイムになりやすい東京競馬場は昨年10月のGⅢ・サウジアラビアRCで経験済み。この時は2着だったが、1着馬サリオスはその後GⅠ・朝日杯FS1着、GⅠ・皐月賞2着と牡馬(オス馬)の一流馬で十分な内容だったと言えよう。距離延長も苦にしなさそうで堅実な立ち回りから1着を目指す。
○騎手はM・デムーロ。先々週のGⅠ・NHKマイルを9番人気ラウダシオンで制した。このレースも東京競馬場のレースで、スタートから2番手につけ押し切るというこの時期の前有利の傾向を読み切ってのものだった。GⅠでは侮れない騎手で注目は必須だ。
○不安点は、デビュー以来堅実な成績は収めているが、逆に言うと勝ちきれない、詰めの甘いタイプだということ。このレースでもいいレースは見せたが2,3着ということも容易に想像はできる。
以上が有力馬3頭の紹介です。
そのほかにもGⅠ・桜花賞3着の逃げ馬スマイルカナ、前哨戦のGⅡ・フローラS勝ち馬ウインマリリン、2戦2勝のアブレイズなど伏兵たちも揃っていますのでJRAのHP等でご確認ください。
レースの展開としては、「逃げ」馬のスマイルカナがおそらく逃げるでしょう。
人気馬ではクラヴァシュドールが5番手当たりで「先行」、デアリングタクトも桜花賞時よりは前目で「差し」or「先行」したいのではないでしょうか。デゼルはゲート次第で「追い込み」から「先行」まであると思います。
東京競馬場の長い直線の最後まで見どころのある末脚勝負となるでしょう。
それでは3歳牝馬の火花散る一戦、GⅠ・オークスをお楽しみに!
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